品川駅まで徒歩10分新築マンション 2千万円台もある「驚愕価格」

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PRしていないのに、購入希望者殺到、最高倍率378倍

   驚くことに、こうした中古マンションの価格を下回ろうかという新築マンションがあった。住友不動産が売り出した地上43階建て、総戸数828戸の「シティタワー品川」は、JR品川駅まで徒歩10分の大都会の一等地にもかかわらず、最多価格帯3200万円のファミリータイプのマンション。2LDKタイプの最低価格はなんと2247万円と、中古物件よりも1000万円近く安い。

   ほとんどPRしていないのに、購入希望者は殺到。9月5日には公開抽選会が行われ、25階の3LDK+納戸+3ウォークインクローゼット(114.27平米)は、最高倍率378倍だった。

   激安のワケは、「定期借地権」にある。この土地の持ち主である東京都が、マンション建設にあたり住友不動産に付けた「条件」だった。定期借地権の設定で、東京都は土地を売却せずに、期限を付けて住友不動産に「貸し出した」。住友不動産は72年後、東京都にこの土地を更地にして返すが、それまでの間は借地料を支払うことになり、それはマンションを買った人が住宅ローンと借地料分を支払っていくことになる。

   これだけの安値だから、買った物件を転売したり、貸して儲けようとする人が出てくることも考えられる。このため、東京都は法人の購入を認めず、また5年間は必ずそこに住むことも「条件」に付した。

   当の住友不動産は、「東京都のコンペ物件で、定期借地権の活用も都からの条件。こうした物件は稀なケースで、価格面でも他の物件とは一概に比べられない」と、激安人気には困惑ぎみだ。今後、定期借地権付きの物件を積極的に取り扱っていくわけでもない。

   採算を度外視したような「異常」な安値に、ある不動産関係者は「これはあくまで例外物件。市場への影響もあまりないのではないか」とみている。

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