英語名では中国ではなかなか売れない
どこでもCanonと表記してきたキヤノン社の製品は、中国ではなかなかスムーズに売れなかった。数年前に、中国での販売を担当する幹部社員は、ひそかにその原因を調べた。英語表記の「Canon」は、なかなか消費者に印象を与えないし、覚えてもらえないという結果が出た。それがわかると、同社は急いで中国語の表記である「佳能」を広告などにつけた。「その中国語表記がないと、とてもここの消費者に買ってもらいない」とその幹部社員はJ-CASTに明かした。同じく、ソニー(Sony)は、中国での広告などには必ず中国語表記である「索尼」をつけている。
30年間の努力がやっと結実した「松下」は、商標変更によってわざわざネーム・バリューを捨てるわけにはいかない。しかも、「Panasonicを全部中国語の当て字にすると、長すぎるので、それもよくない」と松下電器(中国)の広報部員は悩む。
北京の家電量販店に「Panasonic」について消費者に感想を聞いたら、「それは松下電器がアメリカ企業の代わりに作ったものだ」と答える人もいれば、「純正の松下製品より少々ランクの低いものだ」と答える人もいた。
全世界で社名、ブランドを変更したPanasonicは、中国では「松下電器」を捨てられないのだ。そもそも商標変更の広報も大規模に行われないため、現場や販売店での困惑、混乱がしばらく続くかもしれない。
(J-CAST北京)