2008年10月1日から松下電器は、「Panasonic」に社名と製品ブランドを変更したが、日本のお隣である中国では、1日前後の新聞雑誌を見ても、ほとんどそれに言及する記事はなく、社名はまだ「松下電器」になっている。量販家電の店頭でも、「松下電器」と「Panasonic」との関係を明確にしていない。現場は少々混乱しているようだ。
製品のブランドはPanasonic、社名に変化なし
松下電器のネーム・バリューは、ソニーや韓国・サムスンなどと比べると、高くないと日本ではいわれているが、中国では話はまったく別。30年前の1978年、トウ小平副総理(当時)は改革開放の大号令をかける前に、松下電器を訪れ、ぜひ中国でもテレビ工場を一つ作ってもらいたいと松下幸之助社長(当時)に強く要望した。08年、新たな改革開放に踏み出したいと思っている胡錦濤国家主席も訪日の際、わざわざ同社の大阪本社を訪れた。「松下」と言えば、欧米電機メーカーはもちろん、他の日本、韓国メーカーよりずっと響きが強い。
他社が絶対に持てないこの「松下」というネーム・バリューを、簡単に捨てるのだろうか。松下電器(中国)有限公司広報部は、J-CASTニュースの取材に対し、
「中国でも製品のブランドはPanasonicを使います。社名については工商局に問い合わせていただきたいと思います」
と答えた。
北京の工商局に問い合わせたら、松下電器(中国)有限公司の英訳には、Panasonicという英語を入れたが、中国語の表記には一切変更はないという。