境界線確定で地方交付税を得た十和田湖
それでは今後どうなるのか。
「実際に境界線が決まっていない地域は全国にありますし、決めるために必要とされる費用やエネルギーを考えれば、おそらく決めることはないだろうと思われます」
と山形県市町村支援課は話している。
ただ、面積の大きさが地方交付税に関係するため、境界をめぐり紛争が起きている地域もある。秋田県と青森県の県境にある十和田湖の湖面を、青森6、秋田4に分割する覚書が08年8月29日に交わされた。1871年の廃藩置県以来、未確定のままだった十和田湖の青森、秋田県境問題がようやく決着したわけだ。この背景には地方自治体の財政難がある。これまで61平方キロメートルもある十和田湖の湖面自体は、境界未定だったため両県の面積に加算されなかった。早ければ08年内にも総務省が境界線を承認。地方交付税は秋田県1600万円、秋田県小坂町が1100万円、青森県2400万円、青森県十和田市1600万円の計6700万円が上積みされる見込みで、09年度分から交付される。