値段を高めに設定した自信の高級ブランド米
一方、この秋から全国デビューするのが「おぼろづき」と「ふっくりんこ」。北海道内で「幻のお米」とまでいわれる「おぼろづき」の特徴は、「ツヤツヤ感」や「柔らかさ」「粘り」にある。「ふっくりんこ」は、あっさり感とぷちぷち感、歯ごたえのよさが売り物だ。
最大の消費地・首都圏では、老いも若きも「コシヒカリ」など有名ブランドを選ぶ傾向にある。この圧倒的なブランド力に対して、北海道米はさまざまな消費者に向けた品種をきめ細かく揃えることで、販売の拡大をめざす。
特徴からみると、「おぼろづき」は「コシヒカリ」の味に馴染んだ40歳代以降の世代に送る高級ブランド米といえる。価格もこれまでの「きらら397」や「ななつぼし」に比べてやや高めに設定するところなど、かなりの「自信作」と見受けられる。
若者に評価が高い「きらら397」と「ななつぼし」に、中高年の好みにマッチした「おぼろづき」が加わったことで、ラインナップも整った形だ。
いまや「米どころ日本一」を争うほどになった北海道米。しかし、首都圏ではまだまだ新潟産「コシヒカリ」や「あきたこまち」に圧されている。
「おぼろづき」の「柔らかさ」と「粘り」で攻勢をかけるホクレン農業組合連合会の担当者は、「品種だけではなく、『ブランド』を打ち出す販売に向けた取り組みは、これまでの府県米にはないところだと思う」と話している。