乳液や化粧品1本で数千円~1万円もするような高級化粧品の国内市場が拡大しており、化粧品大手による販売競争が活発化している。2008年秋には、最大手の資生堂が10万円を超える超高級クリームを発売するのをはじめ、化粧品メーカー各社が続々と新商品を投入する準備を進めている。高級化粧品は化粧品メーカーにとって利幅が大きく、少子高齢化の中での貴重なビジネスチャンスにもなりそうだ。
資生堂が12万6000円のクリーム売り出す
資生堂は9月から、百貨店や化粧品専門店向けに販売している高級スキンケア化粧品「クレ・ド・ポー ボーテ」のうち、最高級シリーズ「シネルジックライン」の強化に乗り出す。21日には12万6000円という同社のクリームでは最高額の高級クリーム「クレームシネルジック」(40グラム)を発売する。また、メーク落とし用の石けん(1万500円)なども加え、商品を大幅に増強する計画だ。
カネボウ化粧品も10月中旬から、化粧品専門店だけで売るブランド「トワニー」に、高級スキンケアシリーズ「エスティチュード ラグジェ」を新たに加える。商品のラインナップは7品目(8400~2万1000円)。
ノエビアも10月、10年ぶりに高級ブランド「ノエビア 505」をリニューアルする。また、花王も9月下旬、百貨店向けのブランド「エスト」に最高級スキンケアシリーズ「エターナルフロー」を投入する予定で、メーカーの積極的な動きが目立ってきた。
化粧品大手などによると、少子高齢化によって若い女性の数が減っていることもあり、化粧品市場全体は横ばい状態が続いている。しかし、2万円以上の高級スキンケア化粧品の市場は、ここ数年で2~3割伸びているという。金銭的に余裕があり、美容意識も高いワーキングウーマンらが増えていることが大きな背景だが、子育てを終えた比較的裕福な層の主婦らの需要が増しているためとみられている。