「著名な検索エンジンが数百万元の協力費をもらっている」?
三鹿社の絶大な政治力のせいもあって地元政府も中央政府も動かないなか、ネットはさらにもう一度、三鹿社の粉ミルクに疑問をかけた。
しかし、事件発覚まで、検索をかけてもほとんど「三鹿社」関連の記事や書き込みは出てこなかった。
2008年9月22日付けの『中国新聞週刊』に「事件関係図」が掲載された。三鹿事件の背後には、PR会社である北京海涛通略国際広告有限公司があり、検索エンジンの百度(Baidu)と協力して、ニュースを事実上もみ消したのではないか、という疑惑だ。
中国のブログには、著名な検索エンジンが三鹿社から数百万元の協力費をもらっているという指摘まで飛び出している。これに対して、百度の関係者は、J-CASTの取材に「そうした事実はない」と否定はしている。
前出の『中国新聞週刊』は、三鹿社の粉ミルクにどのぐらいのメラミンを混入したかを試算し、303トンという驚異な数字をはじき出した。また、中国22社の粉ミルクを検査したところ、全部引っかかった。三鹿社は、販売量と同様、製品の中にメラミンの含有量も最高値を出した。
事件の全容はまだ分からないが、幼児の死亡者数は3名、入退院は数千人にのぼるという。
メラミンは、中国語では非常に響きのいい名称をもっており、「脂肪エキス」という。メーカーは牛乳の水増しを防ぐため、原料乳の脂肪量を検査する。この脂肪エキスを入れるとほぼチェックはパスできる。毒もあるとは知っているが、農家は幼児を死なせるほどとは知らなかったという。
現在、全中国ではどこも牛乳が売れなくなった。政府に何人かの辞任者は出ているが、なぜ河北省が報告しなかったか、三鹿社の責任はトップの辞任だけでいいのか、ネットの責任は本当にないのか、などなど、追及しようという動きはさほど強くはない。
(J-CAST北京)