GMの商用トラック部門売却 いすゞに背負う力あるのか

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が、国内トラック大手のいすゞ自動車に対し、商用トラック部門の売却を非公式に打診していたことが分かった。交渉が具体的に進むかは極めて流動的だが、GMがかつての支援先だったいすゞから逆に支援を仰ぐ形になったことは、日米自動車業界の地位の逆転を意味し、世界的な業界再編につながる可能性もにじませている。

具体的な譲渡交渉が始まるのかどうかは不透明

   経営不振にあえぐGMが、トラック部門の大半にあたる中型トラック部門を売却する意向を固め、いすゞ側に譲渡話を持ちかけたとされる。関係者によると、今後、GMが具体的な譲渡額や条件などを正式に提示する見通しとの見方もある。

   GMは1990年代、経営不振に陥ったいすゞに出資し、再建に力を貸してきた。しかし、その後は米国内の人件費の高騰や日本メーカーの台頭などの影響で、GMの経営は次第に悪化。GMはいすゞとの資本提携を06年に解消した。さらに、最近のガソリン高騰と米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した米景気の冷え込みは、GMの主力である大型車離れを加速。GMは深刻な販売不振に見舞われ、経営の厳しさは増している。2008年夏にはGMの経営破たん説まで浮上したうえ、米証券大手、リーマン・ブラザーズの経営破たんによる米国の金融危機がGMの経営悪化にいっそう追い打ちをかけている。

   そんな中で浮上したいすゞへのトラック部門譲渡説。しかし、自動車業界関係者の中には、「いすゞにはGMの一部門を背負い切れるほどの力はない」との見方が根強い。いすゞ関係者でさえ「数百億~数千億円とされる譲渡額を支払うなど、うちにとってはあり得ない」とも話しており、具体的な譲渡交渉が実際には始まるのかどうかは不透明といえる。

姉妹サイト