課題はネットユーザーの立場に立ったサービス
グーグルは、08年9月7日で創業10周年を迎えたが、新聞や経済誌などでは頭打ち説も出ている。
読売新聞の08年9月8日付記事では、「検索連動型広告以外の有力な収益源はまだ生まれていない」と課題を指摘。組織の肥大化や大企業病の恐れもあるとして、「成長神話にも影が差し始めている」と書いている。
また、9月27日号で大特集を組んだ週刊東洋経済では、SNSトップの米フェイスブックにネットナンバーワン企業の地位を脅かされているなどと指摘。「『成長鈍化』『株価下落』という曲がり角を迎えている。覇権を固め、新しい成長のステージに上ることはできるだろうか」と疑問を投げかけている。
グーグルでは、ブラウザの「グーグル・クローム」や携帯電話ソフトの開発のほか、再生可能エネルギーへの投資など、事業の多角化を進めている。さらに、課題とされるのが、広告スポンサーばかりでなく、ネットユーザーの立場に立ったサービスができるかという点だ。
前出の井上さんは、次のように指摘する。
「グーグルは、Gメールにみられるユーザー特性のマーケティングデータをスポンサー企業に提供するといったことには熱心です。ただ、スポンサーばかりに向いていることがネットユーザーにばれてしまうと、ユーザーは快く思わないでしょう。それでそっぽを向かれることが、今後の懸念材料と言えるかもしれませんね」