犬や猫向けのフィットネス、酸素カプセルや「幼稚園」といった人間並みサービスが登場し始めた。値段はそこそこするが、大切な「我が子」のためには惜しくないというわけか、利用する飼い主が増えている。
「ようちえん手帳」をトレーナーに渡す
犬版の幼稚園として話題「パッピーナようちえん」のHP
ペットフード工業会の調査によると、2007年度の犬猫飼育頭数は、犬が1252万2000頭、猫が1018万9000頭。前年に比べて犬は40万頭、猫は59万頭以上も増えた。これに比例するようにペット向けサービスが盛んになり、その内容も「人間並み」になっている。
TV番組でも活躍する家庭犬のトレーニングインストラクター、鳴海治さんが経営する「犬の学園パッピーナようちえん」(東京都江東区)は、その名の通り、犬版「幼稚園」だ。朝10時に登園すると、飼い主は健康状態や連絡事項を書いた「ようちえん手帳」をトレーナーに渡す。簡単な健康チェックを行い、怪我をしていないか、熱がないか、ノミやダニの有無を調べる。その後、トイレの練習、遊びの時間、散歩、ランチタイム、昼寝と、夕方5時の帰宅時間までスケジュールがぎっしり。鳴海園長は、
「入園できる期間を生後19週目までに限定しています。早い時期に遊びを通して色んな経験をさせることで、無駄吠えや人を噛むという危害を与えない子に育てます」
と話す。
トレーナーが3頭以上の犬を遊ばせながら集団のルールを教えていく。始めの1カ月は週3日、その後は週2日のペースで3カ月間通う。料金は基本コースがトータル33回で、19万9500円(一括払い、入園料別途3万1500円)。1回あたりに換算するとおよそ6000円。ペットホテルに半日預ける場合でも数千円かかり、しつけも学べるので高くはないということなのだろう。07年6月にオープンしてから80頭以上預かった。
卒園後もここを利用する人は多く、その理由を園長はこう説明する。
「ドッグラン(犬を自由に遊ばせる専用の場所)でも、きちんとしつけられていない犬がいるので、事故が起こっています。当園の場合は、訓練を受けた犬同士で遊べるため、安心なのでしょう」