三菱東京UFJ銀行は、東京スター銀行とのATM提携の契約を解消した。2008年11月4日から、三菱東京UFJ銀行の利用者は、東京スター銀行と、同行が「サークルKサンクス」で展開する「ゼロバンクATM」を使えなくなる。
通常のATMは、他行のキャッシュカードで預金を引き出す場合、利用者とカードの発行元の銀行の両方が原則105円を、ATM設置銀行に支払っている。これを東京スター銀行が、利用者が負担するATMの利用手数料を無料にする「ゼロバンクATM」を展開。これに対して三菱東京UFJは、ATMの利用者を増やすことでキャッシュカードの発行元の銀行から手数料を受け取り、ATMの運営費用に充てる東京スター銀行のやり方に批判的だった。東京スター銀行との提携を維持したままだと、手数料負担が増すことになるので、契約を解消した。
三菱東京UFJ銀行は、2年ほど前にも東京スター銀行に見直しを要請。当時は利用者の「手数料ゼロ」の声に圧されたこともあって、提携解消は立ち消えになった。この間、自行ATMの設置やコンビニATM、JAバンクなど提携先を拡大。東京スター銀行との契約を解消しても、利用者の利便を落とさずに済むよう準備していた。同行が平日の日中に無料で使えるATMは全国に5万4709台ある。
「ゼロバンクATM」に不満をもつ地方銀行などは少なくなく、東京スター銀行とのATM契約の解消が、今後広がる可能性がある。
なお、東京スター銀行の利用者はこれまで通り、三菱東京UFJ銀行のATMを利用できる。