日本の2ちゃんねるから派生して出来た画像掲示板が、米国でも人気を集めている。米国の大手新聞、雑誌にも相次いで取り上げられ、「新しいミーム(meme、ネット上の流行現象)が広がるにあたって、最も話題に上るサイト」などと紹介されている。一体、どんなサイトなのだろうか。
設立者は日本のテレビ番組や漫画のファン
「4chan(よつばちゃんねる)」が話題に
このサイトは、「4chan(よつばちゃんねる)」と呼ばれ、日本の2ちゃんねるに派生して立ち上がった画像掲示板「2chan(ふたば☆ちゃんねる)」の英語版だとされる。トップページには、「アニメ&マンガ」「自動車」「おえかき」など、40強のカテゴリーが列挙されており、自作画像や、アニメキャラクターの「2次創作作品」などが大量に貼り付けされている。
最近では、ユーチューブに掲載された「リック・ロール」と呼ばれる動画が同サイトで話題になり、すでに再生回数は2000万回を超えている。
ネット社会以外でも注目されており、米経済誌「ウォール・ストリート・ジャーナル」が設立者のクリストファー・プール氏にインタビューし、2008年7月に特集記事を掲載している。それによると、同掲示板は、プール氏が15歳だった03年に設立されたといい、現在の利用者は月間300万人に達している。
プール氏は元々、日本のテレビ番組や漫画のファンで、(漫画などの画像が掲載されている)「ふたば☆ちゃんねる」の米国版を作ってみたかったのだという。当初は、母親のクレジットカードを使ってサーバーを買う程度の、小規模な運営規模だったが、次第に掲示板が巨大化。フルタイムでの運営を余儀なくされた上、プログラマーを雇う必要も出てくるほどになった。同サイトは、広告収入などで運用されているが、「2ちゃんねる」と同様、運営上の危機がたびたび発生している。
「タイム」が「ネットで4番目に大きな掲示板」と紹介
記事では、「他のサイトは、目を引く広告に力を入れるものだが、よつばちゃんねるのデザインは原始的」と、特徴を解説した上で、記事中には、ハーバード大学の研究員も登場。
「よつばちゃんねるの便利なところは、ひとつの場所に、数百万人の人が会話しに集まってきて、ミームに富んだ(meme-rich)環境を作り出すことにあります」
と、同サイトの魅力を語っている。
一方、「タイム」誌も、ほぼ同時に特集記事を掲載。同記事では、よつばちゃんねるのことを「ネットで4番目に大きな掲示板」とも紹介している。
もっとも、同サイトは、匿名で書き込みができることが特徴なだけに、2ちゃんねると同様な問題も発生している。例えば、07年9月11日には、テキサス州在住の10代男子がパイプ爆弾の写真を掲載した上で、「朝、学校を爆破する」などと書き込んだ。この男子は、アリゾナ州在住のネットユーザーの通報により、まもなく逮捕。日本と同様の結末を迎えている。