7月から観光客も増える
地元への影響は、やはり大きいようで、日本銀行鹿児島支店が08年9月3日に発表したところによると、同番組による県内経済効果(08年1月~7月)は171億円。経済効果の主な要因は観光客の伸びで、奈良迫さんは
「放送が始まった1月から5月にかけて、観光客の伸びが鈍かったのですが、7月から秋にかけて、急に好転したんです」
と話す。確かに、08年1月~7月に鹿児島県内に宿泊した観光客の数は前年同期比103.9%なのに対して、08年7月に限ってみると、同114.2%で、夏場以降の好調ぶりが際立っている。
番組終了後にも「篤姫人気」を持続させたい考えで、
「08年12月の番組終了後も、この(篤姫ブームの)『余韻』は、09年4月ごろまでは続くのではないかとみています。その間、県としては旅行会社の支援などを行っていきたいと考えています」(奈良迫さん)
と、期待をかける。9月12日には、08年12月の番組終了以降の観光振興策の提言を発表してもいる。提言では、「ドラマは、西郷(隆盛)、大久保(利通)に続く郷土のニューヒロインを生み出した」として、篤姫関連の恒久的な展示施設を検討すべきだ、とした上で、09年は、篤姫の養父・島津斉彬の生誕200周年にあたることから、両者を関連させたキャンペーンの展開を提言している。