ロゴ入りグッズ、続々ネットでオークション
もっとも、ハイリスクの世界とはいえ、リーマン社員には、突然の損失に対するわだかまりもあるようだ。
米ネットオークション「イーベイ」では、なんと社員が使っていたとみられる社名ロゴ入りグッズが次々に売られているのだ。例えば、ロゴ入りのダッフルバッグを出品したアメリカ人は、「歴史の一部をその手にできるチャンス」と自虐的なメッセージを添えた。08年9月17日夕には、5人が入札し、4623円の値が付いていた。
このほか、ロゴ入りのマグカップや帽子、ボールペンなど400件以上が出品されている。中には、なぜか「リーマンの破たん」の英文を入れたドメイン名まで売りに出され、出品から9時間後には、10万円以上の値が付いた。ただ、日本人の出品はほとんどないようだ。
リーマン・グッズの出品について、前出の外資系金融機関幹部は、「社員の連帯感を高めるために、文房具やタオルなどのロゴ入りグッズはいっぱいあります。世界で、リーマンファミリーの意識を高めてもらうためです。そんなグッズを売る背景には、経営が悪いのに、なぜ自分が首になるのかという不満があるのでしょう」と話している。
さらに、海外では、破たん直後に、段ボール箱やスーツケースなどに持ち物を入れて会社から運び出す光景が報じられたが、この幹部は、「このケースは、不満とはちょっと違うと思います。破たんすると社員が入れなくなるのを見越して、持ち出したのでは」としている。
一方、社員の今後の扱いについて、リーマン・ブラザーズ証券の広報担当者は、「日本で約1300人いる社員は、解雇してはいません。支援先を探しており、今はまだ見通しが立たない段階です」と話している。