東京・秋葉原で通行人らが無差別殺傷された事件に使われたダガーナイフの販売、譲渡を禁止する動きが全国に広がり、少なくとも20都府県に達した。最近では、東京都が「ダガーナイフ」の18歳未満への販売、譲渡を禁止することを決め、これによって規制する自治体はさらに増えそうだ。また、警察庁は「銃刀法」の改正案を秋の臨時国会で提出する予定で、規制の動きが本格化してきた。
都の場合、違反者は30万円以下の罰金
2008年6月8日、東京・秋葉原で通行人と警官17人が無差別に殺傷された事件で、犯人は凶器にダガーナイフを使用していた。ダガーナイフとは10~30cm程度の両刃の短剣で、美術的な価値があるとしてコレクターの間で人気がある。一方で、殺傷能力が高いことが問題視されているが、拳銃や刀の所持を禁じた「銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)」の規制対象になっていない。
東京都青少年健全育成審議会は9月8日、「東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則」を一部改正し、ダガーナイフの18歳未満への販売、譲渡を禁止すると発表した。9月12日から施行されている。
警視庁などから得た情報を元に、都青少年・治安対策本部はダガーナイフの販売店が都内に約100店舗あると推計する。都の担当者は、
「販売店を調査したところ、自主的に身分証を確認しているという店もありましたが、その裏づけはなく、不確かだと思います。秋葉原の事件後もナイフでの無差別殺傷が起こっていて、青少年が真似しないとは言えません」
と話す。
規制対象はダガーナイフに限らず、刃体が剣のような形で、長さが6cm以上、最大の厚みが0.15cm以上のものと定めている。条例に違反した場合、販売者は30万円以下の罰金を科せられる。