KDDIも重い腰を上げ、09年春に端末投入
同社では、法人向け需要のテコ入れをはかるため、08年9月9日、取引先を集めたイベントで、法人向けにiPhoneを1社あたり5台まで、3ヶ月間にわたって貸し出すと発表した。この日は、孫社長自身がiPhoneのビジネスシーンでの活用法を説明する熱の入れようだった。
「市場にどれくらいのニーズがあるかわからなかった」として参入を見送っていたKDDIも、08年9月11日になって、09年春に法人向け端末を投入する、と発表した。発売されるのは、スマートフォン専業のHTC(台湾)製の「E30HT」。同社製品は、すでに日本市場ではNTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルから発売されている。
KDDIの広報部では、参入の理由を
「ソリューションビジネスと連携するなど、法人向けでは市場に一定のニーズがあることがわかったため」
と説明。いわば、スマートフォンについては、「法人向けの方が確実な市場」との見方だ。一方、個人向け市場の展開については、
「iPhoneは『瞬間風速』みたいなものでしたし、個人向けのニーズについては、まだ見えてきません」
と、慎重な構えを崩していない。