焼酎30万本分の自主回収で被害総額は4億円
芋焼酎「薩摩宝山」を製造する西酒造(鹿児島県日置市)は、今回初めて「辰之巳」から仕入れた。焼酎の原料は芋だが、麹を作るために米が必要になる。年に何度か「辰之巳」の営業が同社を訪れるため、同社の存在は知っていて、今回の焼酎用のサンプル米を見せられたとき、
「とても綺麗なお米でしたので、見積もりを出していただきました。他の取引業者よりも安いということはなかったのですが、今回はこの米を使おうということになったんです」
と同社はJ-CASTニュースに説明した。その後納入されたのは「事故米」が入ったものだった。同社も出荷した1升瓶約30万本分の自主回収を発表。被害額は約4億円に上るという。
「三笠フーズ」は08年9月9日、同社の全従業員を解雇し事業を大幅に縮小すると発表した。農林水産省はJ-CASTニュースの取材に対し、今回の事件は「三笠フーズ」が帳簿を2重にしていたり、関連会社を複雑に絡ませるなど「事故米」の販売隠しが周到に行われていた。また、同省は利益目的なことは明らかで、
「それも相当な利益を得ていたことが予想される」
と話している。