「ちょっと厳しい書き方だと思います」
これに対し、東京中日スポーツの担当デスクは、「確かにちょっと厳しい書き方だと思います」として、08年9月10日に訂正のコラムを出すことを明らかにした。書いた記者は反省して、続報を書いているという。このデスクは、厳しい書き方になった理由をこう述べる。
「ツアーの主催者からは、棄権の詳しい理由を知らされていませんでした。『妹が急死した事情があります』と言われていれば、コラムの内容も違ったでしょう。亡くなられたので、過敏に反応する一般の方はいらっしゃると思います」
ただ、コラムでは妹の死に目にも会えないことをも覚悟すべきと読めるが、この点については、明確な説明がなかった。
海外では、タイガー・ウッズのように、妻の出産や親の病気などでも欠場するケースは多い。日本でも、仕事よりも肉親を大切にすべきだとの考え方が強くなってきているようだ。
浅尾美和選手は、北京五輪のテレビリポーターとして8月14日に日本を発つ前に、妹の事故を知った。が、中国で仕事を続け、閉会式直前の8月24日朝に日本へ帰国していた。ネット上では、こうした気丈な振る舞いにも疑問が出ているのだ。ミクシィの日記を見ると、
「有り得ない…家族の大変な時に。いくら五輪だからと言ってもさ」
「仕事なんか人生の優先事項のうち、下の方だと思うけどw」
といった声が相次いでいる。
浅尾選手のマネジメントをしているエスワンの社長は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話す。
「ちょっと行き過ぎの記事ではないか、というのはありました。確かに、バタバタして説明できなかった反省はありますが…。(担当デスクの説明は)言い訳ですよね。彼も物書きのプロなら、もう少し確認して書かれた方がよかったのでは。妹の事故を知りながら中国へ出発したのは、命に別状がないという話を聞いたからです。助かるつもりだったので、(テレビ局側に)迷惑をかけるのも失礼と考えました」
なお、浅尾選手は、福井県内で9月13~15日に行われる大会から復帰する見込み。妹の急死などについては、近くブログでコメントを公表するという。