星野仙一さんが、自身のホームページで2009年3月に開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表監督にはならない、と明かした。もともとやるつもりはなかったが、仮に「是非」といわれても、北京オリンピックの惨敗で野球ファンから大バッシングを浴びている中で、引き受けるのはとても無理だ、という内容だが、ネット上では「一時は色気を出していたのではないか」といった批判が再燃している。
「WBC、WBCって、なんなんだ?」
北京オリンピックで「金メダルしかいらない」と宣言したものの、ふがいない試合が続き結局は4位。帰国後はマスコミやネット、野球関係者からのバッシングに次ぐバッシングで袋叩きにされた星野元日本代表監督。オリンピックで納得のいく成績が残せれば、09年3月に行われるWBCの日本代表監督に就任すると噂されていた。
スポーツ紙各紙も「WBC監督要請に前向き」と伝えた。野球関係者からは星野元日本代表監督の継続を期待する声も出ていて、読売巨人軍の渡辺恒雄球団会長は、
「星野君以上の采配を振るう人間がいるかね。いたら教えて欲しいよ」(日刊スポーツ08年8月26日付け)
阪神タイガースの坂井信也オーナーは、
「本人がやりたいのであれば全面的に支援する」(日刊スポーツ08年8月27日付け)
などと記者団に対し語っていた。
当の星野元代表監督はオリンピックから帰国後、「オレの人生はオレが決めるよ」などと監督要請に関しては沈黙。08年8月25日放送の日本テレビの報道番組「ZERO」に生出演し、WBCの監督を期待されていることに対し、
「負けた監督にチャンスを与えたい、ということだと思うが、今は何とも答えられない」
などと含みを残したと受け取られかねない発言をした。今後の目標については、
「叩かれてもチャレンジして前へ進みたい」
などと意味深な発言もあった。ただし、こうした発言がWBCの代表監督を引き受ける気があるのではないか、という憶測を呼ぶ。ネットでは星野元代表監督のWBC代表監督就任を阻止する運動まで起こっていた。
星野元代表監督は自身のホームページで、WBC代表監督を引き受けるつもりはない、という旨の文章を08年9月8日付けで掲載する。それは、
「WBC、WBCって、なんなんだ?」
と始まる。07年のプレ五輪の時にもホームページで「WBCの監督まではやりませんよ」と言っていたし、オリンピック後も、監督として4位だったリベンジをすることはない、とマスコミに伝えていた、と書いている。
「かっこ悪すぎです」
そもそも世論やメディアのバッシングの中で、監督を引き受けてもWBCは盛り上がらないし、成功などするわけがない、とした上で、
「今、火ダルマになっているおれがなんでまた『火中の栗』を拾うようなことをするのか」
さらに、
「いろいろ心配したり、気にかけてくれるのは有難いけれど(監督就任という)ない話に向かって断わるも辞退するもない」
と結んでいる。
この文章に対し、ネットではバッシングが再燃している。初めからWBCの監督を引き受ける気がないのなら、オリンピックの敗戦時点で明言すればいい話であり、「屁理屈をこね回しているのでは」という意見が多数を占めている。インターネットの掲示板やブログでは、
「かっこ悪すぎです」
「このままじゃ理想の上司の名が泣くよ」
などというカキコミが並んでいる。
星野元代表監督がWBC代表監督を引き受けないとなれば、今後の代表監督選考に混乱は出ないのだろうか。J-CASTニュースがWBCを統括する日本野球機構に取材したところ、
「代表監督が誰になるかはもともと白紙の状態でしたし、(星野元監督が書いたのは)個人の意見ですので、なんら影響は出ません」
と話している。