国内メーカーも値下げ競争強いられる?
ビジオが低価格で提供できる理由は、徹底した外部調達にある。日本の大手メーカーのような自前の工場をもたず、物件費や人件費がかからない。企画、設計から開発、製造に至るまでコストを抑え、その分の値下げを可能にしたわけだ。
製造委託先が台湾や中国企業というと、日本人はなおさら品質を疑うが、ある家電量販店は「ビジオの画質は悪くないと聞いています。そうでなければ、米国でも売れていないと思います」と話す。
ビジオは米国内でもコストコホールセールを通じて販売して火がつき、家電量販店に取り扱いが広がった。日本でもまずコストコで、450台を限定的に「試験販売」し、その後様子を見ながら拡大を検討していく。
日本で爆発的に売れるかは未知数だが、当て込んでいた北京五輪の特需が伸び悩むなかで家電量販店では巻き返しへの期待が高まる。前出の家電量販店は、「(価格は)安いほうに引っ張られますから、メーカーが安値競争にでもなれば動き出すでしょう」という。
一方、シャープやソニーといった国内家電メーカーにとってはこれまで以上の「価格破壊」が求められる事態も予想されそうだ。