下から何番目となれば、子どもも同じレベルとみなされる?
地方自治法の第247条3項では、都道府県は、市町村に対し、助言などに従わなかったことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないと定めてある。とはいえ、橋下知事の発言が実行された場合について、総務省行政課では、「この条項が、予算まで含むかは微妙です。違法と言えるかは難しく、何とも言えません」と言う。
学力テストの実施要領では、都道府県教委は市町村の結果を公表しないことになっている。一覧化すれば序列化、過度の競争を招く恐れがあるというのが理由だ。しかし、市町村が自主的に公表するのは自由になっている。橋下発言に従って、学力テスト結果の数字を公表する市町村は出てくるのか。
市長が結果を公表すべきと述べた大阪市と箕面市。大阪市教委では、「市長は私見を述べただけで要請は受けておらず、現時点では公表は考えていません。府の説明を詳しく聞き、内部で議論して判断したい」と述べる。箕面市教委では、「市長から要請があったのは事実。府の見解とともに検討、協議します。公表するかどうかは五分五分」としている。
もっとも、公表を渋る市教委などがいくつかあると報じられている。
泉佐野市教委の学校教育課長は、J-CASTニュースの取材に対し、「数字の公表は考えていません」と断言した。
「数字が一人歩きし、例えば、下から何番目とかなれば、子どもたちもそれとイコールとみなされる危惧があります。40数年前にテストがいったんなくなったのは、そういう苦い経験があるからです」
橋下知事の発言については、「行政の最高の方が、予算を付けないという手法を採ることが本当にええのかなという思いがあります。(『クソ教育委員会』については)公人としての発言としてええのかな、子どもたちも『知事が言っている』としてそんな言葉を使ってしまいます」と反発している。
ただ、府教委の要請があれば、テスト結果について、「このあたりに課題」などと言葉の表現で説明したいという。