複数の電子マネー使える共通端末が少ないのが弱点
ただ、急成長したとはいえ、電子マネーは少額の買い物が中心。日銀によると、1件当たりの平均決済額は696円だった。全体の決済規模はクレジットカードの2%程度。決済額の2~3%を手数料として、加盟店から徴収する手法では、発行業者の収益力に限界があり、海外でも普及例は少ない。
店頭端末は1台10万円程度と高価で初期投資の負担も重い。最大手のエディでも、運営会社「ビットワレット」の08年3月期決算の最終赤字は68億円で、赤字額は前年同期から3割も拡大した。
また、複数の電子マネーが使える共通端末が少なく、利用店舗が限定される弱点もある。共通端末が増えれば一段の普及が見込め、投資負担も軽減されるが、ライバルの電子マネーの利便性を高めかねない。もともと電子マネーは顧客の囲い込みを狙ってスタートしただけに、発行業者の思惑が絡みやすい。「どこでも使える時代」はまだ先のようだ。