ネット上で個人がお金貸し借り P2P融資今秋にスタート

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実名、住所、顔写真を出さない匿名が原則

   ただ、ソーシャルレンディングでは、プライバシーをどう守るかが課題だ。

   maneoでは、実名、住所、顔写真を出さない匿名を原則とする。そのうえで、源泉徴収票などから年収を、全国信用情報センター連合会から借入状況を同社がチェックする。日本には、個人対象の格付会社はないが、同社で点数制の「maneo score」を作成し、判断材料にしてもらう。「例えば、バイクが好きな人のコミュニティを作り、趣味で人となりを表現してもらいます。そこで、匿名でも信用してもらえるようになれば、『うちの子も塾で大変だったので、お金を貸してあげたい』となるのでは。日本は、相互扶助の土壌があるので、次第に融資の抵抗感が減ると考えています」と広報担当者は言う。

   SBIプロスパーでも、プライバシーについては、同様な方針だ。「匿名を想定しており、顔写真は出さなくてもいい形にしたいと思っています。日本なりの特色を考え、情報の面白さというコミュニティ的な側面を活用していく予定です」。個人の格付については、AA、A、B、Cで格付けしている米本社を参考に、自社でやるかを含めて近く最終判断したいとしている。

   このサービスに詳しいITジャーナリストの佐々木俊尚さんは、「日本でもうまくいく可能性は十分あります」と語る。

「日本では、個人がお金を借りようと思っても、金利や返済期間が一律で自由度がありません。所得がある程度ある人からは、『生活に困っている人と同じ金利なのは納得できない』と不満があります。ソーシャルレンディングでは、借り手が銀行より安く借りることができ、貸し手も金利が低い銀行預金やハイリスク・ハイリターンの株投資に比べてミドルリスク・ミドルリターンです」

   一方、ハードルもいくつかあるという。

   「アメリカでは、プライバシーの概念が低いので、顔を晒して、『子ども2人を抱え、夫がいなくて大変』と訴えるような人がかなりいます。そこまでの情報がないとお金を貸す人は少なく、どこまで情報をすくい上げられるかが課題になるでしょう。ネットオークションのようなトラブルや犯罪の心配もあります。会社の格付も確立していない日本で、個人はもっと難しいと思います。情報を数値化しても、どこまで信頼できるかという問題もあります。そこをうまく乗り越えて日本の文化になじめるようになれば、普及するのでは」

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