「自分は重要な人間だ」と思い込む 「自己愛性人格障害」とは何か 

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障害の裏には自己嫌悪があり、それを隠すために思い込みが出る

   自己愛性人格障害の患者を診たことがあるという醍醐病院(京都市)の有馬成紀院長は、

「この障害の裏には自己嫌悪があり、それを隠すために自分は本来は優れた人間なんだと思い込みます。しかるべき環境だったら、社長になれる、ノーベル賞を取れると言う人もいます。ただ、何も根拠はなく、実現のための努力をしようともしません。うまくいかないと、すべて周りのせいだと思っています。会社内でもそのような態度なので、転職先で次々と首になったという人もいました」

と明かす。しかし、

「アメリカに比べて日本では症例が少ないのが現状で、なかには誤診されていることもあると思います。言葉で定めた診断基準で見極めるのは難しい」

とも指摘する。

   確かに、患者の中には診断中に気に障ることがあるとキレて、暴力を振るうこともあるが、

「この手の患者さんは暴力を振るうといっても、大怪我させようとか、ましてや殺そうと思うことはありません。土浦の事件の場合は計画的に事を運んだようですが、自己愛性人格障害では考えにくいです。該当するかどうか・・・」

と疑問も口にする。

   治療はカウンセリングをベースに行う。治療開始は早いほどいいが、患者は自分が病気だと思っていないため、自ら治療を受けにくることはほとんどない。もし、周囲の人が疑わしいと思ったら心療内科に相談して、早期に治療を受けさせる必要がある。

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