奔放な発言は、自らのおとなしさを戒め、奮い立たせるため?
ネット上では、こうした石井選手の言動について、格闘漫画の影響ではないかとの見方が出ている。
男性のブログ「WACK WACK MMA ISLAND」では、人気漫画「キン肉マン」「グラップラー刃牙」「餓狼伝」に同じようなフレーズがあると指摘。「『屁のつっぱり』発言に限らず石井選手の数々の発言には、マンガヲタクである僕のアンテナにびりびりくるものが数多くある」と漏らしている。
すると、石井選手は、普段から格闘技や漫画の影響を受けて、オモシロ発言を連発していたのだろうか。
高校1年まで石井選手が柔道を習った修道館クラブ(大阪)の上田順治会長は、意外なことを明かす。
「子どものころは、無口でおとなしく、人見知りだったんですよ。五輪前の壮行会で、『飛ぶ鳥を落す勢いの石井です』とあいさつして、みんなびっくりしました。慧がようしゃべるようになったと。一人で東京に行ってもまれたんじゃないですか」
石井選手が、格闘漫画を読んでいるのは、見たことも聞いたこともなかったという。
出身の清風中学・高校柔道部の魚澄豊治監督も、同様な感想だ。ただ、「格闘家の秋山成勲もうちの卒業生で、顔出しして石井に稽古をつけていました。その影響があるかもしれませんね」と話す。
石井選手が、奔放な発言を繰り返したのは、自らのおとなしさを戒め、奮い立たせるためだったのだろう。たくましくなった石井選手は、欧米流のポイントを稼ぐ「JUDO」も積極的に取り入れ、見事、金メダルを獲得した。
修道館クラブの上田会長は、「勝つ柔道と言っても、力がないと難しいんです。昨年夏に慧と飲んだとき、『8時間練習している』と言っていました。それだけ練習して、負けない柔道をしたということだと思います」と話している。