「総務省の公選法解釈がおかしい」 選挙期間中ブログ更新の市長候補が当選

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   ウェブサイトやブログを持つ政治家は少なくないが、「選挙期間中は更新を自粛する」というのが一般的だ。ウェブサイトの更新も、現行の公職選挙法では禁止事項にあたると解釈されているためだ。ところが、「その解釈がおかしい」と主張してブログの更新を続けた、鹿児島県の阿久根市長選の候補が僅差で当選を果たし、対立候補からは不満の声もあがっている。「ネット選挙」解禁に向けての運動も行われるなか、今後の議論に影響を与える可能性もありそうだ。

選管は「公職選挙法に抵触するおそれがある」と注意

   公職選挙法では、告示日以降は「法定外の文書や図画の頒布・掲示」を禁じており、ウェブサイトの更新やメールマガジンの配信も、この禁止事項に該当するというのが、総務省(旧自治省)の見解だ。インターネットを使った選挙活動をめぐっては、民主党が「解禁案」をまとめた公選法改正案を提出し、自民党は解禁に向けての報告案をまとめるなどの動きもあるが、慎重論も根強く、国会での審議は進んでいないのが現状だ。

   そんな中、この流れに一石を投じそうなのが、2008年8月31日に投開票された鹿児島県の阿久根市長選だ。市職員の人件費削減などを訴えて初当選した元市議の竹原信一氏(49)が、選挙期間中もブログの更新を続けていたことが波紋を呼んでいるのだ。

   竹原氏は04年ごろにウェブ日記(ブログ)を開設、市や市議会が抱える問題点を指摘しながら、市議としての活動をつづってきた。

   市の選挙管理委員会によると、市長選が告示される前の段階で、ブログに「自分が立候補する」旨の記述があったため、「事前運動」にあたる旨の注意をした。ところが、8月24日の告示後も同様に更新が続き、他候補の名前の一部を伏せ字にした上で、「選挙に出る資格さえない」などと批判を展開したりもした。

   こんな状況を受けて、選管では選挙期間中、本人には2回、事務所には3~4回、「ブログが公職選挙法に抵触するおそれがある」と注意。更新停止と、告示以降に更新された分の削除を求めたが、

「法律の解釈について、総務省と見解の相違があり、納得はしていない。(削除については)考えておく」

として、この段階では削除には応じなかった。

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