ホンダは「広告・宣伝費は公表していません」
他社に聞いてみると、
「現時点では、減らすといった話は聞いていません」(日産自動車)
「従来から、広告・宣伝費については公表していません」(ホンダ)
と、一様に口を閉ざしている状態だが、各社ともコストカットを迫られているという事情は同じだ。
実際、自動車業界全体としても、既存メディアへの広告費は縮小傾向だ。
電通の「日本の広告」で、業種別の広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマス4媒体)を見てみると、「自動車・関連品」の広告費は、05年には2479億6000万円だったものが、06年には前年比5.2%減の2350億4000万円、07年は同7.7%減の2169億1000万円と減少を続けている。さらに媒体別に見ると、07年のマス4媒体全体での減少幅は、前出のとおり7.7%だが、テレビの減少幅は5.3%にとどまっているのに対して、新聞、雑誌の減少幅は、それぞれ11.9%と9.7%。各社のコストカットの矛先が、真っ先に紙媒体に向けられていることがうかがえる。
今回のトヨタの「3割カット説」が、この傾向に拍車をかけることになりそうだ。