エアコン、冷蔵庫や洗濯機 家電相次ぎ値上げへ動く

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   エアコンに続き、冷蔵庫や洗濯機など白物家電に値上げの波が広がろうとしている。三菱電機が2008年9~11月に新発売する大型冷蔵庫の市場想定価格を旧製品より1万円程度引き上げると発表し、他社にも追随する動きが出てきたためだ。銅をはじめとした原材料価格の高騰でメーカーが悲鳴を上げていることが 背景にあるが、身近な家電製品の相次ぐ値上げで、消費者のふところはいっそう厳しくなりそうだ。

新型冷蔵庫の店頭価格は1万円前後高くなる

   三菱電機は、「原材料が予想以上に上昇しており、コスト削減努力だけでは吸収しきれない」として、601リットルなど新型冷蔵庫の5機種を3~5%引き上げる予定だ。家電量販店などで売られる店頭価格は、いずれも1万円前後高くなる見通しとされる。

   この動きに呼応するかのように、松下電器産業や東芝ホームアプライアンスも、値上げを検討していることを表明。シャープや日立アプライアンスも値上げに追随するのではないかとの観測が広がっており、冷蔵庫の値上げは今秋以降、相次ぐ可能性が高まっている。

   冷蔵庫は、食品を冷却するという基本的な機能で他社と差別化することが難しいうえ、家電量販店などでの安売り競争もあり、90年代以降、一貫して低落傾向が続いてきた。日本電機工業会の調べでは、冷蔵庫の平均出荷価格は、90年代には10万円前後で推移していたが、06年には7万円台まで下落。大手家電メーカーによると「売れ筋の大型タイプでは、発売してから1年で10万円は下がる」といい、値崩れが起きやすい商品だ。このため、値上げなどは想定が難しかった。

   しかし、原材料価格の高騰は事情を変えた。冷蔵庫の大型タイプの場合、銅は約2キロ、鉄は約40キロ、樹脂は約30キロも使用されている。この数年、銅や鉄などの原材料価格は急騰し、07年と比べても3~4割も上昇している。これまでと同様、価格の製品の下落基調が続けば、メーカー側はお手上げ状態だ。

値上げの動きはエアコンから始まった

   最近の電機製品の値上げの動きはエアコンから始まったといえる。まず三菱電機がエアコンの値上げを発表し、日立アプライアンスなども値上げを 表明。松下やダイキン工業なども値上げの検討を始めた。エアコンは家庭に設置する際に工事が必要なため、メーカー系列の販売店などを経由して販売される比率が高く、比較的値上げしやすい商品であることが大きな理由だ。

   しかし、今や、値上げはエアコンに限らず、冷蔵庫に広がり、さらに洗濯機など白物家電全般にも波及しつつある。松下などは冷蔵庫に続き、洗濯機の値上げの検討にも入ったと伝えられている。

   ただ、そんな状況の中でも、家電メーカーの多くは「消費者の理解を得るのは難しいのではないか」と危惧しているのも事実。消費者は家電量販店などでの安売り競争に馴れてしまっているうえ、景気低迷の中で買い控え傾向も強まっているためだ。「値上げすることで消費者を遠ざけてしまう懸念もある」との不安の声も強く、メーカーの苦悩も増している。

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