「すき家」も「値上げの予定はない」
一方、かたちとしては吉野家・松屋に比べて30円安い350円で牛丼を販売するのは「すき家」。「すき家」を展開するゼンショー・グループ経営本部広報部も「値上げの予定はない」と話す。
「コスト吸収努力をしていますし、お客さんに転嫁するというのは最後の手段です。お客さんは350円という認識で来ていただいていますから。ただ、これを機に、価格よりも(同社牛丼の)安心感や安全性を見ていただきたいですね」
ただ、食品値上げが相次ぐなか、消費者が価格に相当敏感になっている現実もある。外食産業総合調査研究センターの堀田宗徳主任研究員は「牛丼チェーンがこれからどうなるかはまだわからない」としたうえで、
「原材料の価格高騰でメニュー価格の引き上げるところが出てきているが、値上げで客数が減るのが大きな懸念材料。企業努力で何とかしているところもあるが、やむにやまれずメニュー価格を上げざるを得ない。消費マインドは冷え切ってきており、牛丼業界のみならず外食産業をめぐる環境が厳しくなっているのは確かだ」
と指摘している。