本音は早く利上げに動きたい?
景気後退の一方、消費者物価の前年比上昇率は当面、日銀が「物価安定の目安」の上限とする2%を上回って推移するとみられる。日銀は07年2月の追加利上げ以来、政策金利の据え置きを続けており、白川総裁は「景気と物価の双方に注意が必要な立場は変わらない」と据え置きが続くことを示唆した。
この会見で白川総裁は、金融政策決定会合が政策金利を年0.5%に据え置いた結果を説明する際、「年0.75%の維持を決めた」と言い間違える一幕があった。事務方の指摘で即座に訂正し、「全くの不注意」と強調したが、「早く利上げに動きたい日銀の本音が出た」との憶測が飛び交った。
「停滞」判断を受けて、市場では「利上げは09年度後半まで困難」との観測が大勢。日銀「悲願」の利上げは遠のいていくばかりだ。