「タスポ特需」に沸くコンビニ 史上初7月売上げ2ケタ増

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   コンビニエンスストアの業績が急上昇している。その原因は成人識別ICカード「taspo(タスポ)」。タスポを持たず自動販売機でたばこ買えない喫煙者がコンビニに行き始めたからだ。コンビニ大手のローソンは、09年2月決算の売上げ見通しを1兆4900億円(連結ベース)、既存店の売上高前年比で4%の増加を見込んでいるが、「このうちの3.5%分はたばこの売上げ増とみています」と話していて、「タスポ特需」に沸いている。

7月のコンビニ売上高は11.7%増

「タスポ特需」でコンビニの業績が上昇しているという
「タスポ特需」でコンビニの業績が上昇しているという

   日本フランチャイズチェーン協会(JFA)によると、2008年7月のコンビニの売上高(11社、既存店ベース)は6891億円で、前年同月に比べて11.7%も増加した。JFAが調査を開始した98年12月以来、初めての2ケタ増となった。

   売上げ増加の要因についてJFAは、猛暑でソフトドリンクやアイスクリーム、冷やし麺など夏物商材が好調だったことに加えて、「タスポを持っていない喫煙者の利用が増えたことが大きい」とみている。

   たばこを含む非食品の売上げは、構成比で31.5%を占めていて、前年同月比で33.0%も増加した。売上げ全体に占める、たばこだけの割合はわからないが、「非食品は文具などが主な商品ですが、通常であれば大きく伸びても4~5%程度。30%を超える伸びはタスポの導入が近づいたこの1、2か月以前には考えられなかった」と驚いている。07年1~12月の非食品売上げの伸びが、平均3.5%増だから、単月とはいえ33.0%はたしかにスゴイ。

   JFAの調べでは、来店客数も11億8123万人(既存店ベース)と前年同月に比べて11.8%増と寄与。平均客単価は同0.1%減の583.4円だったが、コンビニ大手のローソンでは同0.8%増の591円と伸ばした。たばこがレジ前に置いてあることもあって、「ついで買い」が少なくないようだ。

   ローソンは、タスポ導入後のたばこの売上げについて、「5、6割は伸びています」としている。たばこを買うお客が増え、「(たばこが)品切れにならないよう、在庫管理には注意しています」と話す。

   7月の売上げ増は、「タスポもありますが、ガソリン代の高騰でクルマを使ってスーパーに買い物に行くよりも、近くのコンビニ、ということはあると思います」(ローソン)と、ガソリン価格の上昇もコンビニにとってはプラスに働いたようだ。

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