ファミレスという名前や形態そのものが既に古くなっている?
「デニーズ」はファミレス各店の価格ランクでいえば中間に位置する。現在、ファミレスで一番苦戦しているのがこの中間の価格帯で勝負している店舗なのだそうだ。すかいらーくグループなどは多様な店舗展開をしていて、例えば「デニーズ」と競合する「すかいらーく」が苦戦した場合、「ガスト」などへの転換が可能だが、セブン&アイ・フードシステムズは「デニーズ」を中心とした展開だ。そのため、集客の戦略として「価格を変える」ことに着眼したのではないか、と先の業界関係者は見ている。実は、「デニーズ」は08年2月にも一部メニューを値下げしている。
先の業界関係者は、
「春の値下げ効果が得られなかったために、今回の大胆な値下げになったと思うが、価格云々よりも、昨今のファミレス業界の停滞はファミレスという名前や形態そのものが既に古くなっているのではないかという思いが業界内に出ている。ファミレスを支えた団塊の世代もシルバー層に移行する中で、抜本的な改革を考えなければ将来の展望が開けない時代になっているのではないか」
と話している。