「まやかし」サーチャージ 日系航空割高、路線でも「格差」

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   原油価格の高騰にともなって航空各社が徴収している「燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)」の値上げが続いている。数万円単位で徴収されるため、旅行者にとっての影響は大きい。ところが、路線によって値上がりが見送られたり、日系エアラインが割高など、航空会社によって、額に「格差」が発生していたりと、消費者にとってなんとも分かりにくい事態が続いている。

競争が激しい路線では据え置き

航空会社によってサーチャージの額は異なっている
航空会社によってサーチャージの額は異なっている

   全日本空輸(ANA)は2008年8月18日、国際線のサーチャージを08年10月発券分から値上げする、と発表した。08年に入ってから、4月、7月に続き3回目の値上げだ。日本航空(JAL)も、追随して値上げに踏み切るものとみられている。

   燃料の値上がり分は、本来ならば運賃で吸収するのが基本だ。だが、04年ごろから原油価格が高騰しだしたため、価格転嫁をスムーズに進めるために、「サーチャージ」として、運賃とは別に徴収する料金を世界中の航空会社が相次いで設定。日本ではJALとANAが05年に国際線に導入し、3か月に1度、5か月前から3か月前の平均燃料市況をもとに見直すことになっている。燃油代が下がった際には、サーチャージも値下げまたは廃止することになっているが、原油価格が下がらないため、サーチャージも値上げが続いている、というのが実際のところだ。 

   だが、今回の「値上げ」の内容を見てみると、消費者には、必ずしも分かりやすい仕組みにはなっていないようなのだ。路線別に見てみると、欧米路線が片道2万8000円から3万3000円に、ハワイ・インド路線が2万円から2万2000円に、中国路線が8500円から10500円に値上げされている。ところが、原油の価格は上がっているにもかかわらず、タイ・シンガポール・マレーシア路線と香港・台湾路線は据え置かれたままなのだ(それぞれ2万円と1万500円)。

   ANAでは、その理由を

「他社との競争が激しい区間だということと、その路線での燃油消費量を踏まえて、公平に負担していただくことにした結果」

と説明。競争が激しい路線での競争力低下を気にしている様子だ。

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