「iPhone異常人気」失速 量販店販売シェア13%から4.4%

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   アップル社製の携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)」が発売されてから1か月余りが過ぎた。当初はマスコミに大きく取り上げられ、発売初日に品切れになるほどだったが、過熱人気も今では低調気味だ。調査会社BCNの調査では、発売後13%あった家電量販店での販売シェアが、2008年8月に入ってから4.4%まで落ちている。

松下、シャープ、カシオ、NECより下

iPhoneの家電量販店での販売シェアは低調
iPhoneの家電量販店での販売シェアは低調
「以前に比べれば(販売は)落ち着いてきてますね」
「在庫は最近安定してきている感じです」

   都内の家電量販店の担当者は口々に「iPhone争奪戦」が落ち着いてきた状況を説明する。最近では当初の品切れ状態が解消され、供給が安定しているということもある。しかし、家電量販店を見る限り、供給の方が安定しても「iPhone」自体の販売があまり振るわない傾向もあるようだ。

   調査会社BCNの調査によれば、家電量販店での販売シェア(携帯電話事業者のショップ販売は含まれず)は「品切れ」の影響もあり、発売後ほどなく低迷気味。「iPhone 3G」16ギガバイトモデルでは、7月11日発売日の週(3日間)では10%だった販売シェアも2週目で3.2%、3週目で4.6%、4週目で5.3%だった。

   しかし、供給が安定してきた8月に入っても販売シェアは3.9%(8月4日~10日)と低迷し、松下、シャープ、カシオ、NECの端末よりも販売シェアが低い、という状態だ。8ギガモデルについても、発売直後に3%あった販売シェアが8月に入っても1.5%と振るわない。(販売データはBCNによる)

   ソフトバンクモバイルは販売台数についていまのところ公表しておらず、販売が低調になってきたのかについても「数を申し上げられない以上、コメントは差し控える」(同社広報)とのことだ。

   電気通信事業者協会が2008年8月7日発表した7月の携帯電話契約数によると、ソフトバンクモバイルの純増数は、21万5400件、15か月連続で首位だった。転入超過も前月比で約2倍となる5万2000件と、他社からの「乗り換え」もすすんだ。同社広報はJ-CASTニュースに対し、「iPhone効果という点では、iPhoneによって店頭が盛り上がり、商戦全体に(プラスに)影響した」と説明している。

法人向けにどれだけ食い込めるかがカギ

   「iPhone」の話題性がソフトバンクモバイルの好調さを加速させたかたちになるが、「iPhone」の販売がここへきて低調になってきたのは気になるところ。業界では「コアな購入層にはすでに行届いた」との見方もあり、今後「iPhone」の販売が伸びるのかは極めて不透明だ。

   ソフトバンクモバイルは2008年8月5日に「iPhone 3G」の料金プランを改定し、一律で月額5985円だったパケット定額料金を、08年8月分から利用パケット数に応じて変動する2段階制にすると発表。通話料などを含めて最低月額2990円で利用できる料金プランを導入、テコ入れをした。

   携帯電話に詳しいジャーナリストの松村太郎さんは、携帯電話端末の料金を割賦方式にしたことで、買い替えのサイクルが大幅に伸び、これが「iPhone」についても「大きな壁」になっている、と指摘したうえで、こう語る。

   「iPhoneは1つの端末としては売れたと思う。ただ、iPhoneを2台目のケータイとして使っている人がおそらく半分くらいだろう。iPhoneをメインの携帯電話端末として選べるかが今後の鍵で、絵文字・ワンセグ・おサイフケータイという機能がないものの、PC向けのネットを良く使っている人についてはまだ伸びしろはある」

   さらに、松村さんは、iPhoneではゲームなどのアプリケーションソフトが100円ほどで購入できる点を挙げて、ゲーム端末として話題性はあるとの見方だ。ただ、「法人向け端末という点では、日本の企業があまりプラットフォームを変えようとしないのがハードル。ソフトバンクがどれだけ営業をかけられるのかが、販売を伸ばせるかに影響する」との見方を示してしている。「iPhone」が日本の携帯電話市場にどれだけ食い込めるかは、まだまだ不確定な要素が多い。

姉妹サイト