実際の請求額は、高くても100万円?
これらの損害額が「鉄道会社から自殺者の遺族に請求される」という話もあり、中には「1億円が、突然遺族に請求される」という都市伝説のような話もささやかれている。実際はどうなのだろうか。
各社に聞いてみたが、
「ご遺族もおられることですし、(損害賠償を求めるかなど)どんな方針をとっているかを含めて、外部に公開はしておりません」(JR東日本)
「どんな損害があるかを含めて、公表しておりません」(東武鉄道)
と、一様に口が堅い。
ただ、重い口を若干開いたのが、京浜急行電鉄だ。
「詳しい内訳は公表していないのですが、損害額自体で1件あたり200万円ぐらいです。車両も、そんなに大きく壊れる訳ではありません。基本的に損害賠償は求めていく、という方針なのですが、実際の請求額は、高くても100万円いきません」(広報宣伝担当)
と、ここで言う「損害」には、振替輸送のコストは含まれていない様子。
この話からすると、「損害賠償1億円」というのは限りなく「ガセネタ」に近いと言えそうだ。だが、飛び込み自殺が利用者や鉄道会社に多大な損害を与えることには変わりはない。