大和が大手証券で初の夜間取引 野村や日興コーディアルは「お手並み拝見」

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   大和証券が大手証券で初めて、取引所を通さないで株式売買ができる私設取引システム(PTS)を活用した個人投資家向けの夜間取引を2008年8月8日にスタートさせた。夜間取引は、インターネット専業証券が先行しているが、売買は市況低迷の影響で伸び悩んでいる状況だ。大和証券の参入が、夜間取引の活況につながるか。

営業日の午後6時~11時59分に実施

   大和証券の夜間取引は営業日の午後6時~11時59分に実施。東京、大阪の両証券取引所などに上場している約2000銘柄が取引できる。大和証券に証券口座を開設し、ネット取引を契約している個人投資家が対象で、取引手数料は無料。昼間は取引できないサラリーマンらがターゲットだ。

   証券取引所は、投資家の売買注文を突き合わせて取引を成立させる「オークション方式」だが、大和証券の夜間取引は、大和証券と大和証券SMBCが対象銘柄の売りと、買いの価格を提示して、投資家の注文に応じる「マーケットメーク方式」を採用した。注文が少ないとオークションでは値が付かない場合があるが、マーケットメークでは確実に取引できるのが特徴だ。

   初日は、約150銘柄の取引が成立し、売買代金は7500万円だった。ネット証券の1日当たり平均売買代金の数億円と比較すると、低調なスタートだったが、大和証券は「株式市況が低迷している中、まずますのスタートになったのではないか」と受け止めている。

   ライバルの野村証券や日興コーディアル証券など他の証券会社は、具体的な夜間取引の実施計画を持ってはいない。証券業界では「夜間取引のニーズがどれだけあるのか未知数。システム対応に資金を投入する効果があるのか」というのが基本的な考え方で、「大和証券のお手並み拝見」という雰囲気だ。

   一方、ネット証券の受け止めは若干異なる。「大和証券に顧客が流れるのではないか」という大手脅威論が当然ながら浮上している。ただ、ネット証券は手数料引き下げ競争を繰り広げ、投資家を獲得してきただけに、「大手のブランドだけで大和証券に投資家が流れることはない」(ネット証券役員)という声が根強い。

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