米国市場は急速に小型車シフトに傾く
しかし、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響が続く中、米国市場は急速に小型車シフトに傾いてきた。そして、その環境変化は「想定を超えていた」(トヨタ関係者)という状況で、北米戦略は完全に裏目に出た形だ。
今回の決算会見で、トヨタの木下光男副社長は「北米市場の需要の変化に応じた供給体制を整える」と強調した。トヨタは8月から、大型車を生産する米国の2工場を約3カ月間、停止するという異例の対応に踏み出す。2工場が約3カ月分の在庫を抱えてしまったことに危機感を強めたためだ。また、大型車 を生産する予定だった工場をプリウスの生産に切り替えるなど、体制の立て直しを急ぐ。
しかし、サブプライム問題の影響が続く米国経済の先行きは依然不透明だ。トヨタは現在、09年の世界販売目標の見直し作業も進めているが、難しいかじ取りが必要となるのは必至だ。