トヨタ自動車が2008年8月7日に発表した08年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比4.7%減の6兆2151億円、本業のもうけを示す営業利益が同38.9%減の4125億円と減収減益になった。四半期ベースで減収減益に陥るのは、02年に四半期決算の開示を始めて以来、初めてという。厳しい決算を招いた大きな要因は、トヨタにとって最大の収益源といえる北米での販売低迷だ。トヨタの北米戦略の立て直しが急務であることが改めて浮き彫りとなった。
ハイブリッド車「プリウス」だけは需要増に応じきれない状況
北米での08年4~6月の連結販売台数は前年同期より3万3000台減少し、72万9000台と大きく落ち込んだ。全体では新興国や中東での 販売が好調だったことから、同2万4000台増加し、218万6000台だったことから見ると、北米の不振がいかに大きいかが分かる。
北米で販売が低迷したのは、ガソリン高や個人消費の低迷で、ピックアップトラックなど大型車の売れ行きが悪化したためだ。さらに、米国での需要が伸びたハイブリッド車「プリウス」などは需要増に応じきれず、増産が間に合わなかったことが響いた。このため、08年4~6月期の北米地域での営業利益は、前年同期の1602億円から691億円へと半分以下まで減少した。
トヨタは06年、大型ピックアップトラック市場に本格参入し、大型車の販売戦略を加速してきた。大型車は販売価格も高く、利益も大きい。さらに、これまでは米ゼネラル・モーターズ(GM)はじめ「ビッグ3」の牙城ともいわれており、トヨタは大型車戦略で、北米事業の強化につなげようとの狙いが あったとされる。