岡田副代表が「小沢批判」 代表選前に民主党混迷

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   民主党の小沢代表の3選が確実視されるなか、「誰が出馬するのか」が焦点になりつつある。複数の幹部の立候補が取りざたされているが、そのなかの一人であった岡田克也副代表が出馬を否定した上、小沢代表に批判的な文章を月刊誌に寄稿するなど、事態は混迷を深めつつある。

岡田、前原氏も出馬を否定

代表選で小沢氏の有力な対抗馬は現れていない
代表選で小沢氏の有力な対抗馬は現れていない

   2008年9月に行われる予定の代表選は、98年の民主党以来11回目。07年夏の参院選で、参院第1党の座を手にした民主党からすれば、衆院で解散・総選挙が行われ、勝った場合は政権交代の可能性がある。そうなれば、民主党代表が首相になる可能性が高く、これまでの「単なる野党の代表を選ぶ選挙」とは性質が異なってくる。

   現段階で出馬が確実視されているのは、事あるごとに解散・総選挙を主張し、「次の総選挙が最後の選挙」と意気込む小沢一郎代表のみ。問題は「誰が対立候補になるか」だが、無投票での小沢代表3選を避けたい勢力からは、岡田氏や、執行部批判で党内から「退場勧告」まで受けた前原誠司副代表、野田佳彦広報室長、枝野幸男元政調会長などの名前が取りざたされている。

   ところが、岡田氏は7月30日、記者会見で「現時点では、強い意欲は持ち合わせていない」と発言。理由については「私は衆院選で党が負けた責任をとって(代表を)辞めている」と説明し、事実上の「不出馬宣言」と受け止められた。さらに、8月6日には前原氏も

「今回はコーディネーターのひとりとしての役割に徹したい」

と発言。出馬を否定した。

「政権交代実現に向けての重点の置き方がいささか異なる」

   そんな中、岡田氏が、「小沢批判」とも取れる文章を月刊誌に寄稿し、波紋を呼びそうなのだ。記事が掲載されたのは「文芸春秋」08年9月号(首都圏では8月9日発売)で、タイトルは「小沢さんと私は違う―政権奪取宣言」。「小泉改革」を批判するなど、自らの政策論を8ページにわたって展開している。

   その中で岡田氏は、

「政権交代実現に向けての重点の置き方がいささか異なるのかもしれません」

として、「小沢執行部への違和感」を表明しているのだ。具体的には、道路特定財源の問題をめぐって、岡田氏は道路特定財源の一般財源化に重点を置くべきだと考えたのに対して、執行部は暫定税率廃止を目指して「ガソリン値下げ隊」なるものまで結成し運動したことなどを挙げている。

   小沢氏の手法を

「政権奪取のためには手段を選ばないという政治手法こそが、小沢代表の真骨頂」

と評価したうえで、

「私の場合、多少時間が掛かっても正面突破作戦でいく」

と両者の違いを指摘している。まだ、次の衆院総選挙については、

「『次の総選挙が最後の選挙だ』という言い方には違和感を覚えます」

と批判している。

   岡田氏は8月5日にも、自らのウェブサイトで

「現時点で、具体的な政策を率直に、正直に話して戦う選挙が、いい結果を生む十分な自信がない」

と、改めて出馬の意思を否定。有力な対抗馬は見つからないままだ。

   その一方で、岡田氏も前原氏も、代表選自体は行われるべきで、小沢氏の無投票3選は好ましくないとの考えを強調。代表選の行方は不透明なままで、構図が見えてくるのは8月中旬以降だとの声も多い。

   投票が行われることになった際は、9月8日に告示され、9月21日の投票が予定されている。

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