「政権交代実現に向けての重点の置き方がいささか異なる」
そんな中、岡田氏が、「小沢批判」とも取れる文章を月刊誌に寄稿し、波紋を呼びそうなのだ。記事が掲載されたのは「文芸春秋」08年9月号(首都圏では8月9日発売)で、タイトルは「小沢さんと私は違う―政権奪取宣言」。「小泉改革」を批判するなど、自らの政策論を8ページにわたって展開している。
その中で岡田氏は、
「政権交代実現に向けての重点の置き方がいささか異なるのかもしれません」
として、「小沢執行部への違和感」を表明しているのだ。具体的には、道路特定財源の問題をめぐって、岡田氏は道路特定財源の一般財源化に重点を置くべきだと考えたのに対して、執行部は暫定税率廃止を目指して「ガソリン値下げ隊」なるものまで結成し運動したことなどを挙げている。
小沢氏の手法を
「政権奪取のためには手段を選ばないという政治手法こそが、小沢代表の真骨頂」
と評価したうえで、
「私の場合、多少時間が掛かっても正面突破作戦でいく」
と両者の違いを指摘している。まだ、次の衆院総選挙については、
「『次の総選挙が最後の選挙だ』という言い方には違和感を覚えます」
と批判している。
岡田氏は8月5日にも、自らのウェブサイトで
「現時点で、具体的な政策を率直に、正直に話して戦う選挙が、いい結果を生む十分な自信がない」
と、改めて出馬の意思を否定。有力な対抗馬は見つからないままだ。
その一方で、岡田氏も前原氏も、代表選自体は行われるべきで、小沢氏の無投票3選は好ましくないとの考えを強調。代表選の行方は不透明なままで、構図が見えてくるのは8月中旬以降だとの声も多い。
投票が行われることになった際は、9月8日に告示され、9月21日の投票が予定されている。