「島耕作は日本的社長だ」 英エコノミスト誌の記事に異論

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「団塊世代の『モーレツ・サラリーマン』の典型」

   その一方で、同誌の紹介も、ちょっと特異だったらしい。ネット上では、疑問視する声が相次ぎ、経済学者の池田信夫さんもブログで「微妙にずれている」と違和感を明らかにした。

   池田さんは、08年8月10日付日記で、「島は一見、『日本人離れ』した一匹狼のヒーローのようだが、実は団塊世代の『モーレツ・サラリーマン』の典型だ」と指摘。その証拠として、家庭を顧みずに会社の得意先を毎日接待したり、敵対的買収から守ったりしたことを挙げる。

   さらに、島が社長就任会見で「シンクグローバル!」と叫びながらも、日本的な調和の精神を忘れなかったとする。「自社や株主の利潤を追求するだけでなく、従業員・関連企業・消費者などといったすべてのステークホルダーの利益を実現できる企業を目指します」と訴えた点だ。

   エコノミスト誌の記事サイトにも、異論が寄せられている。

「彼は、社内で功績に加え年功にも基づいて人々を昇進させるタイプだ。この記事は、エコノミスト誌の偏見を示したものだ。ビジネスのやり方についてアングロサクソン人のほとんど宗教的なまでの信念を感じる」(ダーブームさん)
「私は最初、日本を離れた25年前に書かれた記事を読んでいたのかと思った。しかし、日本でも、終身雇用や年功序列の制度が本当に変わってきたと信じている」(ジェブワークスさん)

   島耕作シリーズを連載している講談社の「モーニング」の編集担当者は、エコノミスト誌の記事をまだ読んでいないとしながら、こう話す。

「エコノミストがまとめた記事で、あれこれ言っても仕方がないとも考えています。誤読はあるかもしれませんが、いろいろ解釈のしようがあるのでは」

   担当者は、同誌から作者の弘兼憲史さんに取材があり、外国人記者が通訳を通して質問していたことを明らかにした。しかし、どんな記事になるのか事前に教えてもらえるか聞いたところ、できないという話だったという。

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