「解任」すかいらーく横川社長 株売却一族で520億円手にする

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株売却は横川一族に何らかの事情があった?

   横川家と投資ファンドは「同床異夢」の関係にある。経営再建は大命題だが、横川流の改革には時間がかかったし、これに原油高や原材料費の高騰などが追い討ちをかけた。

   企業のM&Aに詳しい永沢徹弁護士は、「経営者が先にリスクを軽減(株式を売却して520億円を手にしている)しているのだから、ファンドが自分たちの思うような経営を行う、新たな経営者を立てるというのは当然の成り行き」と話す。

   投資ファンドも利益を上げなければならず、再上場するか、買収先をさがして売却するか、しなければならない。すかいらーくを売却するのであれば、創業家との関係を断ち切っておかないと、相手さがしもままならない。こうした背景が社長解任要求につながった。

   外食大手のMBOでは、焼肉の「牛角」やスーパーの「成城石井」などを傘下に置くレックス・ホールディングスの例があるが、同社の場合は一般投資家の株式を投資ファンドのアドバンテッジ・パートナーズが購入することで、オーナーと投資ファンドの持ち株比率がほぼ半分ずつになっている。経営が傾けば、オーナーが保有する株式もパアになるから、おかしな経営はできないわけだ。

   永沢弁護士は、すかいらーくの場合はMBOの時点から「株式を売る側(横川一族)に何らかの事情があった」とみている。自ら経営を行うならば、保有していた株式を売却せずともいいからだ。

   横川一族がMBOで手にしたすかいらーく株の売却金額は約520億円。当時の持ち株比率は17.9%(2087万株)で、投資ファンドの買付価格は1株あたり2500円だった。

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