不登校の生徒を無理やり保健室に登校させる
「この4年間は、不登校を減らすにあたって、文部科学省が数値目標を掲げるなど、成果主義が大流行したんです。文科省が『いじめによる自殺が7年連続ゼロだった』と発表したのも、その一環です」
と、成果主義が元凶だと話す。さらに、この成果主義は、単なるつじつま合わせしかもたらさなかった、というのだ。
「内実はというと、本来ならば不登校の生徒を無理やり保健室に登校させたり、(不登校にはカウントされない)『病欠』扱いにしたりと、つじつまを合わせていただけです。現場が『このやり方は間違っていた』と気づいた結果が、今回の調査結果に表れている、ということです」
さらに、「不登校を改善するためには、スクールカウンセラーを導入するよりも、現場の教師に役に立つようなことをするべきだ」と提言する。
「スクールカウンセラーは週2回しか出勤せず、相談相手としてはハードルが高すぎる。不登校が解消されたケースの多くは、生徒の自宅に電話をかけたり、家庭訪問をするなど、現場の先生の努力によるもの。スクールカウンセラーを整備するよりも、25人学級などの政策を進める方が先なのでは」