「エチゼンクラゲ」食べて減らす やっかいものが「羽二重餅」に変身

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

かまぼこ、ちくわ、はんぺんといった練り製品も検討

エチゼンクラゲの粉末をつかった「えくらちゃん潮羽二重餅」
エチゼンクラゲの粉末をつかった「えくらちゃん潮羽二重餅」

   さっそく食品メーカーに話を持ちかけた。ところがクラゲのイメージが悪いために断られることが多く、話は思うように進まなかった。粉末化に成功したのは03年秋だったが、商品化されるまでにずいぶんと時間がかかった。ちなみに、羽二重餅の前には第1弾として粉末を使ったクッキーを06年秋から販売している。これまでに4万箱売れていて、今では土産物として定着しているそうだ。

   福井県では07年から「大型クラゲ加工品開発支援事業」を立ち上げ、食用に利用するため、駆除を本格的に始めた。同県の地名である越前の名がついているために、「エチゼンクラゲ=福井県」という、悪いイメージにつながっていた。これでは観光産業にも影響が出てしまうと考えたからだ。県水産課の担当者は、「せっかく福井に流れ着いたのだから、逆手にとって県のPRに使っていきたい」という。キャラクター化して、「えくらちゃん」という名前もつけた。

   クラゲをつかった食材の開発は今後も進めていく方針で、かまぼこやちくわ、はんぺんといった練り製品に使えないかと、検討が進んでいる。他にも色々な食材にチャレンジしたいという。

   県の新たなPRに一役買っていて順風満帆のようだが、課題も残っている。

   大型のクラゲは重量があり、網から引き上げるのにはかなりの労力とコストがかかる。漁業者にとっては引き上げたところで大したお金にならないため、網にかかったらそのまま海に捨ててしまいたいというのが本音のようだ。

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