「侵入しやすい地域や逃げ道をある程度把握することができる」
「ストリートビュー」機能には、識別可能な人の顔やクルマのナンバープレートをぼかす技術が用いられてるほか、ユーザーが不適切と判断した写真については、削除対象として警告することができる。とはいえ、ベランダに干した洗濯物が映っている写真もあり、プライバシーという点では問題点もありそうだ。
実際、07年5月から「ストリートビュー」が展開された米国ではプライバシー侵害を理由に訴訟も起こされており、英国でも「強盗のガイドブック」になるといった批判も噴出し、物議を醸した。なお、複数の米メディアによれば、グーグルはプライバシー侵害裁判の公判のなかで、「完全なプライバシーなど存在しない」などと主張し、これに反論したのだという。
東京防犯センターの斉藤明広代表はJ-CASTニュースに対し、「ストリートビュー」の登場によって犯罪が増加するかは不明との見方を示した上で、
「侵入犯罪に使われる可能性は十分にある。侵入しやすい地域や逃げ道をある程度把握することができる。(侵入犯にとって)物色するのには便利だ」
と指摘している。侵入犯罪では侵入する建物の住人の行動などを下見するケースが多いが、その前に侵入できそうな住宅を物色するのに「ストリートビュー」が役立ってしまう可能性があるという。ネットユーザーから「すごい!」といった驚きの声が相次いで上がるほど便利な機能ではあるが、ドロボーにとっても同様に便利、ということはいえそうだ。