「家の前に作ってほしくない」「商店街の中や、店の前は困る」
自転車道の整備に欠かせないのが地域住民の理解だ。専用道にした方が安全だという意見は多く、総論的には賛成が得られるという。しかし具体的に話を詰めようとすると、「家の前に作ってほしくない」「商店街の中や、店の前は困る」といった声が上がる。路上駐車の取締りが厳しくなったとはいえ、客が店の前にとめるのは事実上黙認されている。仮に自転車道が設置されれば駐車できなくなり、地域住民の目もあって利用者が減る。そうなれば客足にも悪影響しかねないというのが反対の理由だ。
また、設置後にはこんな問題もあるようだ。新しくできた自転車道には、ゴミ袋が置かれるという嫌がらせが発生している。堂々と自転車をとめる人もいる。また、携帯電話で通話しながら運転したり、なかにはメールを打ちながら乗ったりする人もいる。さらに、自転車道なのに歩行者が使っていることもあった。せっかく専用道を作ってもこれでは意味がなく、国土交通省では「道路を作るだけではだめなようだ。もはやモラルの問題だが、自転車マナー向上の啓発活動などを自治体と協力して行う必要がある」としている。こうした問題をどう解決するのかが、ネットワーク建設の成功の鍵を握っているとも言えそうだ。