単身者でなく、世帯持ちに住んでほしい
ただ、こうした「マナーの悪さ」を近隣住民の要望に応えて一掃するというほかに、「単身者だけでなく、ファミリーで住んで地域が活性化できればという狙いもある。年少人口が少ないということも文京区では問題になっている」(同担当者)という事情もあるようだ。近隣住民に不安を生じさせる単身者を減らし、地域の活性化につながる世帯持ちに住んでほしい。そんな思惑がある。
この条例の制定をめぐっては、区には「大学生には住むなということか」といった反対意見も寄せられている。学生寮や社員寮、介護・老人施設などでは、この条例の適用外としていると区側は説明しているが、学生のすべてが学生寮に、会社員の全てが社員寮に住める訳もなく、「色々なご指摘がある」と区側は賛否両論が寄せられることに苦慮しているようだ。
条例の検討が始まった板橋区でも賛否両論が寄せられており、
「家賃が高くなり高齢者が住めなくなったらどうするのか、高齢者には家賃を値下げすべきではないかといった色々な意見があります。非常に難しい問題で、これから詰めなくてはいけないことが沢山あります」
と漏らしている。地域の不動産業にも大きな影響を与えることになりそうだが、ある不動産業界関係者は「近隣住民のワンルームマンション建設反対の意見が根強いということもあり、何とも言いがたい」と言葉を濁すだけだった。