さまざまなメディアが「大学ランキング」を発表するなか、高校生へのアンケートをまとめた「知名度ランキング」で、意外な結果が出た。全国的に早稲田大学が慶應義塾大学を大きく引き離して圧倒的な強さを見せているほか、東海地区では、「中京大」が1位にランクされた。どのような事情があるのだろうか。
在学生6人が北京五輪の代表選手
調査は進学情報サイトなどを運営するリクルート(東京都千代田区)が2008年7月31日に発表したもので、同社が発行する進学情報誌に会員登録した高校3年生約8000人から得た結果をもとに集計、「知名度」と「志願度」をランキング化した。調査は関東・関西・東海の3エリアの高3を対象に行われ、集計・分析もエリアごとに行われた。
衝撃的な結果が出たのが、東海地方。「知名度」ランキングで、名門と言われる名古屋大学(3位)や南山大学(8位)を押さえて1位に輝いたのは、中京大学だ。同大は、「志願度」でも2位にランクインしており、名古屋出身者からも、「意外」との声があがっている。これに対するリクルート側の説明はこうだ。
「早大と同様に、定員規模が大きい、ということはあると思います。また、学部や学科の新設・改組が多いですので、その分高校生に大学の情報が伝わっているのではないでしょうか」
大学に動きが多いほど、結果として大学PRにもなる、との見方だ。ただし、
「これが一番大きいのかも知れませんが…」
と断ったうえで、こうも話す。
「やっぱり、スポーツ選手を多く輩出していますので、メディアへの露出が増えますよね」
中京大からは在学生6人が北京五輪の代表選手として選ばれているほか、フィギュアスケートの浅田真央選手の姉の浅田舞選手や、安藤美姫選手が同大に在籍していることも広く知られている。
リクルートでは、調査結果を踏まえて、
「『全入時代』を控えて、大学は『高校生から選ばれる側』になりつつある。受験生に伝えるべきことをきちんと伝え、他大学との差別化が重要だ」
と話す。