毎日「WaiWai」からジャパンタイムズに移る
変態記事を流し続けた毎日新聞英語版サイト「WaiWai」のように、表現を変えられたという指摘はまだ出ていない。各記事には、「ここでの見方はジャパンタイムズの見方を反映したものでなく、われわれは内容の信憑性については保証できない」と断り書きが添えられている。
ところが、ニュースサイトや2ちゃんねるでは、内容が保証されない性的な行動の紹介について、批判が出ている。「海外の人々に多大な誤解を与える」「主婦は売春・買春やり放題。日本人は男も女も淫乱の性的倒錯者ばかり。とでも言いたいのか?」といったものだ。
毎日サイト問題でも発言しているアルファブロガーの池田信夫さんは、これらの記事に対し、こう指摘する。
「このような記事は、一時期はやったオリエンタリズムではないでしょうか。欧米人による東洋人蔑視の裏返しのように思えます。自分たちと違うものは、劣っている、狂っている、正義でないと思っている。読者である白人の潜在的な差別意識をくすぐることで人気を得ようとしているようです」
さらに、ジャパンタイムズが内容を保証しないとしていることについては、「そのようなことを新聞社が書くのは恥、ということを自覚していない」と手厳しい。
ちなみに、サイトの米国人記者は、毎日の紙媒体(当時)「WaiWai」で記事を書いた後、ジャパンタイムズに移籍していた。処分を受けた毎日のライアン・コネル記者とは、「Tabloid Tokyo」の共著者に名を連ねている。
ジャパンタイムズ社の岡田恵介編集局長は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明する。
「外部からは、10本ぐらい『これはいかがなものか』と指摘は受けました。10年近くサイトのコラムを続けている中で、確かに、900本以上の記事には、性風俗、性行動、性犯罪のものが一部にあります。しかし、年150~60本のなかでそういうテーマは数本です。援助交際など日本人の間で話題のテーマは、日本の一面であることは間違いなく、まじめな記事だと思っています」
岡田編集局長は、週刊誌の内容を歪めたりしたことはないとし、刺激的な見出しについては、「キーワードはどうしても入ってしまいますが、記事中の翻訳は正確にしています」と理解を求める。断り書きについては、「掲載責任がまったくないというつもりはありません。出所を説明し、そこからの翻訳であることを誤解のないように伝えておこうというものです」と話す。
同社では、毎日サイト問題が発覚してから、対応を協議しているといい、読者には何らかの形でできるだけ早くきちんと説明したいとしている。