小麦色競う「日焼け大会」 健康に有害なのか「騒動」

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   夏も本番に突入し、全国で日差しの強い日が続くが、「日焼け」をめぐって、思わぬ騒動が持ち上がっている。愛知県の海水浴場で毎年恒例になっている「日焼け大会」に対して、地元住民から「健康に有害」との苦情が出ている、と報じられたのだ。主催者側は「苦情なんて、これまでに来たことはない」と困惑気味だ。

「中止するつもりはありません」

   記事が掲載されたのは、2008年7月28日の朝日新聞(愛知県版)。それによると、毎年、中部国際空港があることで有名な愛知県常滑市の「大野海水浴場」で行われている「日焼け大会」をめぐって、地域住民から、常滑市に対して「紫外線の浴びすぎは、健康に有害」との苦情が寄せられたというのだ。

   この「日焼け大会」を主催する常滑市観光協会大野支部によると、大会当日に海水浴に来ていた家族連れに参加を呼びかけ、参加した小学生の中から肌が日焼けした子どもを選び、1~3位には表彰状と盾を贈っている。08年は、8月10日の開催予定だ。

   前出の朝日新聞の記事は

「市民の健康を守る立場にある行政は、日焼け大会をやめさせるべきだ」

との専門家のコメントで締めくくられており、大会の実施に批判的な論調だが、主催者側は、「中止するつもりはありません」と反発。「そもそも、批判なんて聞いたことがない」と、困惑気味だ。

「批判があるなんてことは、記事を見て初めて知りました。これまで一度も、苦情なんて来たことはありません。そもそも、地元の人は、あんまり海水浴をしないので、『地元から批判の声』ということ自体、考えにくいのでは…」

世界保健機関は18歳以下の日焼けサロン禁止を勧告

   そうは言っても、「小麦色の肌が健康的」というのは、もはや過去の話だ。かつては、母子健康手帳に「日光浴」を勧める記述があったが、98年からは「外気浴」という表現に改められたほか、02年に世界保健機関(WHO)が発行したガイドブックでも、

「日焼けは、体が紫外線による被害を防ごうとする防衛反応だが、その効果は小さい。『注意信号』として考えるべき」

と、「日焼けは健康的」との見方を否定。また、03年のWHOの報告では、18歳以下が紫外線を浴びるとリスクが高いとして、日焼けサロンの利用を禁止することを勧告している。

   もっとも、今回の「日焼け大会」の開催にあたっては、「特に紫外線対策はしていない」とのことで、

「別に色が黒くなくても参加できますし、実際、色白の人も沢山参加なさいます。ちょっとした遊び感覚でやっているつもりです」

と説明する。「気軽に参加してほしい」というのが真意のようだが、今後、健康面の影響を指摘する声もあがりそうだ。

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